「The ONES」への愛を語る。前編

2017年8月9日ーーー

その円盤は私の手元で、 輝きを放ちはじめた。

 

V6 13th Album 「The ONES」

13thって良いですよね。ギターやピアノでテンションコードを弾くとオシャレだし。まあこれ7thの時も9thの時も使えるネタなんですけど。

 

ここでは、V6が"無茶した"4年半ぶりのオリジナルアルバム「The ONES」について書こうと思います。私が手に入れたのは初回盤Aのみなので、MVの内容にも触れます。

※長いので前後編に分けます。ぶっちゃけ流し読みしてくださっても構わないです…私はファンになって初のオリジナルアルバムに興奮しています、お気をつけください。

前編:「never」から「DOMINO」まで

後編:「Round & Round」から「The One」まで

 

参考:V6 「The ONES」特設サイト from avex http://avex.jp/v6/v6theones/

歌詞引用: https://sp.uta-net.com/artist/1098/

V6の人気は"再燃"した

20周年記念で湧いたツアー(2015年・ここで多くのファンを虜にしたのは間違いない)や、怒涛のシングルリリースラッシュ(2016年・「Beautiful World」、2017年・「Can't Get Enough/ハナヒラケ」「COLORS/太陽と月の子どもたち」)によって、ファンは狂喜乱舞し、新規のファンもたくさん増えてきています。

 

また、こちらの記事を読んでいただけますでしょうか。

V6 大人ジャニーズの世界を提示 グループで再評価: https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20030940W7A810C1000000?channel=DF280120166614

これもファンの中では話題になっていましたが、出版業界では「V6を誌面で取り上げると反響がすごいらしい」と囁かれているそうです。こうして、デビュー22年を迎える中でますます人気が"再燃"(あえてそう書きます)しているV6の意欲作「The ONES」の良さを、私の感想という形でお伝えしたいと思います。

 

The ONES 楽曲について

(引用部分は「The ONES ライナーノーツ」より)

1.never

決して止まることも戻ることもなく進み続ける秒針と、変えられない過去の狭間で「今」と向き合う男の心情を描いたナンバー。

1曲目からぶち込んできました、V6。もうこの曲すごい好き。はじめの秒針の音から、タイマーとかとピピッと絡まって続いていく感じ、まず好き。そして(゚ー゚)ちくたーくちくたーく へ。詳細は調べて欲しいけど、これカッコいい。いきなりユニゾンぶち込んでくるあたりが良いです。1曲目から引き寄せられる。耳が。

 

歌詞解釈についてはほぼライナーノーツ通りですが、決して「前を向こう」という気持ちではないことがポイントだと思います。

歌詞の展開も綺麗でカッコいい。サビの最後で

もう今を「ごまかせない」→「いつわれない」→「ごまかさない」

と展開していくわけです。感情に訴えかけてくる良さ。「ごまかせない」から「ごまかさない」へ変わっていく、そこに意志が現れてくるのが好きです。J-POPにありがちな話かもしれないけど、やっぱり好きです。

 

私がこの曲で推すとすれば、Bメロとラスサビの導入ですかね。いや全部好きだけど。

まずBメロ。

「途切れた衝動 言い聞かすよう / 繰り返す 言い訳と嘘 /  you… you…」

「マヒした感情 痛みならもう / 愛しいほど遠い記憶 /  you… you…」

ここ、韻を踏んでいるというか、節の最後が「u」で終わっているんです。歌うのが気持ち良いです。

そして歌詞。どちらも脳にビビッと伝わる良さ!つらい!すごくつらい!!

「途切れた衝動」ってさぁ…30,40代のアイドルが狭間で「今」と向き合う曲を歌うのにぴったりなフレーズだよ…?

「痛みならもう 愛しいほど遠い記憶」って…?愛しいほど…遠い…って…!!

「愛しい」と「遠い」を掛け合わせたら爆発することがこの曲で分かりました。まぜるな危険。大好き。

そしてラスサビの導入。

「流れゆく人並み 逆らうよう歩き始める / 今日までの溜息 忘れられるかわからないけど」

……気付きました?

「人並み」ですよ?

「人波」ではなく?「人並み」ですよ?

もう…歌詞は…読んで…読んで……!

ここを井ノ原くんと坂本くんのCメロコンビ(?)が歌うあたり…好きです…厳密に言えばCメロじゃないんですけどねここ……

とにかく、今この年齢の6人が歌う「never」の素晴らしさ、伝わって欲しい。

 

そして、そんな曲についたMVを見て欲しい。

MVでは、手元を使った繊細な表現と、サビからダイナミックな動きへと変化していくパフォーマンスがシンプルに捉えられている。エレクトロなサウンドをシックな身のこなしで仕上げる6人が美しい。

 これが良い。シンプルなのに、良い。白と黒でキメられた衣装で踊る6人。良い。最高。

Cメロ前のダンスなんて、もう、踊りすぎって感じ。(褒め言葉) あとやっぱりシンメがシンメしてるところ。分かる。みんな好きだよね。私も好き。

やっぱり、踊れそうで踊れないサビのダンスが素敵です。はじめにジャンプして、おわり!みたいな踊り方してごめんね、V6さん。

あとみんな触れてない気がするんだけど、剛くんの髪型??あれ、何ですか??美しすぎて触れられなかった??最高ですよね!

 

2.刹那的 Night

(Produced by Junichi Okada)

電気グルーヴ石野卓球が作詞・作曲し、CMJKがアレンジした曲をV6が歌う。各メンバーがプロデュースを手がける曲の中で、おそらく最も意外性を感じるのは岡田准一がプロデュースしたこの曲ではないだろうか。

私は意外性というより「そうきたか!!」という気持ちでした。Twitterではあんなに大喜利が繰り広げられていたというのに。(気になる人は調べよう) ちょっと耳慣れない曲かと思いきや、今では味をしめて「セツナ…!テキ…!」と楽しく歌う始末。怖いです。オカダサンコワァイッ

 今まで卓球節にあまり触れてこなかった私ですが、めっちゃ楽しく聴いています。良い意味での「わけわからない感」が心地よい。

あと、繰り返される「That's the way we go」が、V6の確固たる意志を感じて好きです。

 

音楽の手の込み具合も凄まじい。

例えば、みんなが好きな「Click! Snap your finger! 指を鳴らせ!」のあとの高揚感と指パッチンの音。

例えば、あの、あそこのブレイクからのベース音。最高ですね(!)

全体を通してベースがかっこいいのと、雅楽のような、チャイナテイストなようなあの音たち。異世界感に酔える、まさに「刹那的Night」って感じ。目を閉じて、じっっっと神経を集中させた時に脳裏に見えるアレのような、感じ。伝わりますか?

 

そして、お金がかかりまくっているMVです。

振り付けにはバレエダンサーの首藤康之さん、MVデジタルアートにはチームラボ、衣装にはデザイナーの串野真也さんなど、様々なクリエイターの方が手を組んで作られています。MV終わりのスタッフクレジットが豪華。

卓球節がちりばめられた楽曲の世界観を、クールに、スタイリッシュに表現した映像も必見。

すごくすごくお金のかかっている(・△・)オリジ…ンンッ…西陣織の衣装を身に纏ったV6の美しさを堪能できるのも良いですね。振り、というよりポージングが手足の先まで美しく、フィギュアみたい。チームラボの映像がリアルタイムで投影され、八咫烏が飛ぶ中でスタイリッシュにそびえ立つV6。めちゃくちゃ美しい。

ある意味人間っぽくないV6が好きな方にオススメのMVです。ただ、集合体恐怖症の方は少し注意かな?とは思います。

あの伝説の「Supernova」のMVを監督された岡田准一さんが、相変わらず素晴らしい脳内構造をお持ちで、私はますます好きになりました。

 

3.SOUZO 

渡辺直美と共演したMVも話題となっている、ファンキーなディスコチューン。お預けを食らいながら脳内を占拠する妄想を全部口にしちゃったような歌詞は、現・在日ファンクで活動中のハマケンこと浜野謙太によるもの。カッコよさを知っている大人たちが、全力でカッコつけたエンターテイメント!

めっっっっっっちゃくちゃ格好良くないですか???

 

スゥッ…………

 

めっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ格好良いでーーーーーーーーーす!!!!でーーーーーーーーーす!!!!でーーーーーーーーーす!!!!でーーーーーーーーーす!!!!…………

 

ライナーノーツにある「カッコよさを知っている大人たちが、全力でカッコつけたエンターテイメント!」という言葉。これに尽きる。V6の見せるカッコよさは私の心にドンピシャどんどんストライクでした。

しかも、「お預けを食らいながら脳内を占拠する妄想を全部口にしちゃったような歌詞」ですよ。ハマケン先生。この、女の子に振り回されちゃってOMG!な男の雰囲気がバリバリに出てて…でもめっっっっっっちゃくちゃ格好良いですやん…????

OMGといえば、この曲に似て…る…かな…?っていうのが「BING♂」だと思うんですけど、こちらの方がまだ一般寄りというか…R指定入るかどうか、みたいな…!私はどちらも好きです。

 

そしてMVですよ。これが。もう。

クラブ。黒スーツ。スタンドマイク。近距離のカメラ。6人で座る黒ソファー(トニセンは立ってるね)。ミラーボール。

ハァ〜〜…ダメダメ想像しちゃうぜマジ。。。

 

これでもかと私が好きなものを詰め込んだMVでした。ありがとうございました。多くは語るまい。語りたいけど。

玉ねぎにやや焼き目をつけて、口をむにゅっとさせつつじっと見つめながら差し出してくる長野さん、めっっっっっっちゃくちゃ面白いしめっっっっっっちゃくちゃ可愛いですよね?

 

 4.Beautiful World 

2016年6月にリリースされた、46枚目のシングル。井ノ原快彦が出演しているドラマ「警視庁捜査一課9係 season11」の主題歌にもなったこの曲は、メンバーもファンだという秦 基博が書き下ろしたもの。秦は、アコースティックギターと間奏のコーラスで参加もしている。優しい気持ちを胸いっぱいに抱えたような6人の声が胸に響く。

 世界平和の曲。朝に聴きたい曲。

2016年のV6をまさに象徴していると思います。この曲は、何人目かの「7人目のV6」こと秦基博さんの書き下ろし。秦基博さんの世界観にぴったり合った、幸せにあふれたV6を楽曲・MV両方から感じられます。ダンスも覚えるほどに見て欲しい。平和だから。

MV大サビ前、黒バックで映るメンバーの美しさは嘘みたいです。(?)

ここの感想が短いのは、リリースからの1年でやっと興奮が抑えられたからです。ご了承ください!

 

5.Cloudy sky 

1995年11月にリリースされたデビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」以来22年ぶりに秋元康が作詞を担当。
これまでの思いに寄り添い、ここからまた先へと歩んでいく6人へ静かなエールを送っているような歌詞が印象的。

秋元先生の歌詞って感じだな〜〜という印象です。すごく前向き。Cメロが好きです。V6「らしい」歌詞だなぁという印象なので、スッと入ってきた記憶があります。もちろんneverが1曲目であることには意味があるけど、この曲は概念的なものとしての「アルバムの入り口」のような。悪く言えば「ありきたり」かもしれないけれど、私はまっすぐで好きです。キャッチーな歌詞が惹きつける曲です。

メロディーでツボなのは、サビの「さあ吹き飛ばそうぜ」の部分。半音下がるやつです。めっちゃ好き。坂本くんと井ノ原くんの歌声に合っているなって。

 

あとやっぱり、V6はEDM的なサウンドが合う。「Sky's the Limit」や「FLASH BACK」をはじめとして、ちょっと機械的な音もすごくハマってて、だから2010年代にますます輝けるのかな〜とか。

 

あっっっったりまえの話なんだけど、V6の曲は90年代、00年代、10年代全てのシーンでキラリとV6の色を煌めかせてきたから今があるんだよなぁって今思いました

 

刺さる年代はバラバラかもしれないけど、ファンがV6の曲ほぼすべてを愛せる(私調べ)のは、時代に添いながらも彼らの色をしっかり出せているからなんだろうなって思います、私は10年代に聴いた曲がやはり印象に残ってるけど、90年代00年代はすごくエモい、私生まれてないとこもあるのにエモい

※自ツイート引用失礼します

V6の強みはその活動の息が長いこと、そしてファン層が明らかに広いことだと思います。どの年代の人が、どの年代にリリースされた曲を聴いても、何かを感じられる。そんな曲作りをしているように感じています。

前回ツアーで、「80代のファンが居ることがわかった時、長野くんが跪いた」というエピソードを見かけました。あの頃は「長野さん…王子様だ…」などと思っていましたが、それだけではなかった。

当たり前なんだけど、V6は何歳のファンも大事にしてくれている。当たり前なんだけど、ファンは、何歳になってもV6を大切にしている。素敵なことです。

このブログの次にコンサートの感想を書こうと思ってるけど、そこにも素敵なエピソードがある。どうか、それを忘れずに、20代30代40代50代になっても、「V6のファンです」と胸を張って言い続けたい。

 

話が逸れたのでMVの話へ。

沖縄で撮影されたというMVは、ドローンを駆使して壮大な景色を描いている。

 これ、妄想かもしれないけど、「Voyager ~ボイジャー~」のオマージュ的要素がある…と…思います…!みんな思ったんじゃないかな…!

道を歩く6人の姿をCMなどで見た人は、重ねたりしたんだろうな。

そこに、ドローンを駆使した壮大で美しい映像や、新鮮な映像がたくさんたくさん入っていて、素敵でした。メイキング映像も楽しそうだったなぁ…キャイキャイしてるV6を見るのが楽しい。そして嬉しい。

 

6.DOMINO

不穏なムードを醸しながら繰り返されるフレーズとビートで構成されるこの曲は、1分40秒という短さながら強烈な個性を放つ1曲。アルバムの流れの中だけでなく、今後のコンサートなどでもアクセントとなるであろう存在感だ。歌詞は、前作「Oh! My! Goodness!」に収録されている「Supernova」も手がけたラッパー/トラックメイカーのStaxx T(CREAM)によるもの。

新鮮なトラック。1分40秒間、なんとなく心がざわついて落ち着かなかった。ここからアルバムの雰囲気がガラッと変わる。すごく挑戦的で面白い曲だと思いました。

「Supernova」の攻め攻めな印象とはまた違った、静かな焔が見えるような、感じ。伝わってほしい。

 

これは私のもやっとしたイメージなんですけど、このアルバムはなんとなく「ある1日」を追いかけているような曲順だなって。難しく考えていたら分からなくなったけれど、DOMINOの時は、「雨が降り始めた曇り空」が頭の中に浮かびました。前の曲がCloudy skyだからかもしれないけれど…。

MVもめちゃくちゃ不穏。モチーフになっているドミノが様々に動いて、形作ったり、崩れたり。無機質なようでそうではないような、難しく考えすぎたら参ってしまう感じでした。

 

 

 あとがき

 

さて。

前半戦が終わりました。長い。

お付き合いいただきありがとうございます。

加筆修正は行なっていくと思いますが、率直な感想をつらつらと書いてみました。

冒頭3曲でテンションをガンガンに上げて、4,5曲目で真っ直ぐな風を感じていたら、なにやら不穏な空気が…といった感じでしょうか。

 

後半の感想を書き上げられるのはいつになるか分かりませんが、また愛を詰め込んだ記事になると思われます。お付き合いしていただけると嬉しいです。

 

 無茶してくれてありがとう、V6兄さん!