『Forever Plaid Final 2022』観劇記録と想い #1

こんにちは。プラッズファン歴6年の女です。


お読みいただきありがとうございます!

やっぱりフォエプラって最高だな〜!という私個人の結論だけでも、どうかお持ち帰りください。
 
待ちに待った再々演。沈むことの多い世の中で、私にとって大きな舞台が、ついにその幕を上げました。


2年前の公演中止を経て遂に始まったオフ・ブロードウェイ・ミュージカル『Forever Plaid』の観劇を通して感じたことを、このタイトルでは語っていきたいと思います。今回は初回観劇の感想を中心に、プラッズのメンバーそれぞれに対して思うことを書いていきます。(続編記事が出せるかは不明ですが、熱量だけはあります)


ネタバレの範囲が不明なので、不安な方は観劇後の閲覧を推奨します…!


はじめに 

隙あらばなんとやらですが、私のプラッズ体験は2016年の再演から。当時大学生の私は、気になり出していたV6の長野くんが地元に来るとのニュースを受け(既にFC受付は終了)、後援のテレビ局が持つチケット抽選に応募。見事当選し、観劇を経て無事にプラッズファンとなりました。メ~チケさん、その節は本当にありがとうございます。
後にV6ファンとなるわけですが、気になる方は過去記事をご参照いただければ幸いです。


兎にも角にも、待ちに待った再々演な訳です。2020年に開催予定だった、文字通り“幻”となった公演までの4年。そして、それが中止になってからの2年。計6年間、本国アメリカ公演のキャストが出している英詞サントラを擦り切れるまで(実際はダウンロードとサブスクなのですが)聴きながら待ち侘びておりました。私の愛する日本版プラッズも同じ気持ちだったのだろうと、パンフレットやゲネプロ記事からも窺えるのが、心から嬉しいです。


(参考:サントラ2枚のSpotifyリンクを下記に。私にお金が入ったり、押した方がどうこうなったりすることはありませんのでご安心ください。)
☆Original Off-Brordway Cast ver.https://open.spotify.com/album/3ZX8gMdL8fhyZ23WuXe3A2?si=EMMy2n8uR7aKs7F9LLsIcw

☆Original Las Vegas Cast Recordinghttps://open.spotify.com/album/64EihvmIef2XbDnSto9hWH?si=N-yjvQmgQKSlj3vSGTyu2Q

☆日本版プラッズもサントラ出してくれ──!


さて、ではここで『Forever Plaid』のあらすじを。
(公式HP : https://www.forever-plaid.com


高校時代に出会ったフランシス(演・川平慈英さん)、ジンクス(演・長野博さん)、スパーキー(演・松岡充さん)、スマッジ(演・鈴木壮麻さん)で結成されたサウンドグループ「Forever Plaid(フォーエヴァー・プラッド)」。スコットランドの誇りを胸に、アメリカンドリームを追い続けていた彼らは、不幸なことに4人とも命を落としてしまいます。


私たちが目にする舞台は、なぜか、2022年!物語は、地上に舞い降りた天使のような4人が、戸惑いながら舞台に立つところから始まります。観客は「どういうわけかForever Plaidというグループのライブを鑑賞することになるお客様」という役割に据えられるので、スムーズに物語へ入り込んでいくことができます。

また、歌われる楽曲たちは当時のヒットソングばかり。日本語訳が施されているので、楽曲自体を知らずとも、そのキャッチーさや楽しさ・美しさに触れることができます。そんな素敵な演目を日本でやろうと思ってくださった慈英さん(参照:公演パンフレット)には、感謝しかありません。


幕が上がるということ


さて、そんな私は2022年公演の初回観劇を、先日無事に終えてきました。幸せで胸がいっぱいです。おもちゃ箱のように楽しい時間が詰まっていて、それだけで涙が溢れるような、そんな公演でした。


よみうり大手町ホールには初めて入りましたが、かなりコンパクトな印象を持ちました。天井が高く、音の響きがとても気持ち良さそうなホールだなと思います。
20th Centuryファンクラブの名義が私の想いを汲み取ってくれたのか、席はなんと2列目。初回からそんなに前で体感して大丈夫だろうか…と不安を覚えつつ、着席。白い布のかかったスタンドマイクが、目の前に4本。ワクワクが加速します。


開演5分前、1列目の座席に誰も座っていないのを不思議に思いながらアナウンスを聞いている最中、気づいてしまいました。このご時世、1列目の座席を潰してキャストとお客さんの距離を少しでも取ろうと準備する公演がある、ということに…………!(召される絵文字)
私とプラッズの距離がこの世で最も近くなろうとしていることに気づいて焦る間も無く、バンドメンバーが舞台の上に。大きな拍手で迎えながら、私の目には既にうっすらと涙が滲んでいました。


ただでさえ今日の幕が上がるか不安を感じざるを得ない世の中、キャスト・スタッフの皆さんが毎日検査を受け、厳重な感染症対策をしてくださっていることを伝えてくださるのが、どれほどありがたいことか。日々感謝しながら生きていきたいと改めて感じました。


お調子者でまっすぐな愛のひと―Sparky

はじめは、松岡充さん演じるスパーキーについて。特に彼の魅力が感じられる曲は『Perfidia/パフィディア』『Matilda/マチルダ』でしょうか。女との恋を歌った曲ばかりですね(言い方)。


そんな恋多き(?)スパーキーですが、柔らかい色味の金髪でバシッとキメて、ステージの端から端までを練り歩き、観客を虜にしていきます。異母兄弟のジンクスとはことあるごとに、合図のように拳を突き合わせ、フランキーのことは「本当はフランシスって言います」とからかってみせる。早々と自分たちが死んだことをサッと受け止め(ているように見せようとしたのか)、序盤の自己紹介で「ボクたち、死んでいます」と言ってのけるような一面も。


しかしその内側には燃えるようなパッションとラブとロックン・ロールが詰まっていて、聴く人の心を熱くさせるソロパートを多数の楽曲で聴くことができます。とはいえ意外にも諸々の現実が見えていたり、嘘をつき通せない正直者だったり、ジンクスの衣装をチェックしてあげたり(異母兄弟の尊いシーンのひとつです)と、ネコ科風の見た目とは裏腹に、世話焼きで情に厚いところが、なんともいじらしくて可愛らしいキャラクターだと思いますし、場の盛り上げ方はやはりピカイチ。つい手拍子したくなる魅力に溢れています。


和音の中と外を行き来するような、複雑で緻密な音の彩りは、プラッズのハーモニーを唯一無二にしてくれているかのよう。スパーキーの奏でるメロディの難易度はとてつもなく高いように感じられますが、劇中で難なく歌いこなしてしまうところに、松岡さんの熟練の技が光ります。また、前列で見ていた人たちはきっと、彼の熱いファンサービスにクラっと来てしまったのではないでしょうか。私もそうです。まるでスパーキーのガールフレンドになったかのような気持ちになれること間違いなしです!(?)


愛するブラザーと奏でる少年の煌めき―Francis


プラッズのリーダー的存在・フランキーことフランシス。このカンパニーを立ち上げたといっても過言ではない、川平慈英さんが演じていらっしゃいます。

 

リードボーカルを取る曲が多いので見どころたっぷりですが、やはり『Catch A Falling Star/流れ星をポケットに』でのフランシスが、キャラクターと合っていて素敵だなと感じます。某CMや某サッカー中継でおなじみの“ええ声”を期待して観劇した方は、それらをはるかに上回る歌声に、きっと圧倒されるでしょう。はっきりとしたアメリカンなお顔立ちと、合間に交わすスムーズな英語の会話が私は大好きで、ちょっとだけ本国アメリカの雰囲気を感じられるような瞬間だなと思っています。


ときに凛々しく、ときにキュートに(ジンクスにくすぐられて転がっているさまは小4男子そのものでした)、個性たっぷりなメンバーをまとめながら、MCではしっかりとお客様への暖かい言葉を向けてくれるフランシス。グループとしての安心感があるのは、彼のおかげかもしれません。曲と曲の間や、ハーモニーの途中で周りのメンバーとコミュニケーションを取る様子が見られるのも、人柄が垣間見えて好きな部分です。


終盤、最後の曲を歌う前にそれぞれの素直な感情が吐露されるシーン。あの数分間でフランシスが語る、ハーモニーの素晴らしさを表す言葉たちは、芸術に触れた人なら誰もが共感し、心を震わせてしまうのではないでしょうか。ひとつの音に、ハーモニーに命を注ごうとした4人だったとそれまでのパフォーマンスで分かるからこそ、死してなお音楽への愛情を絶やさない4人だと感じられるからこそ、この言葉が響いてくるのかもしれないと思います。


そして、紳士的だった彼の放つ最後の本音が、震えていく声が、涙腺にずしりと響くのです。メンバーの中では小柄な身体から、大きな声で語りかける様子、潤みながら訴えかけてくる大きな瞳、そしてあの静寂と、吐息ひとつも逃せない表現力。何度見ても、圧倒されてしまいます。物語の核となるあの時間を、多くの人に体感してほしいと願ってやみません。


やっぱり愛すべき、チャーミングな音楽オタク―Smudge


鈴木壮麻さん演じるスマッジ。初っ端からステージをやることにちょっぴり後ろ向きな彼は、ひとたび蓋を開けると何とも可愛らしくていい声のお兄さんになってしまいます。少なくとも私の周りでこの公演を見た(主にV6ファンの)皆さんは、軒並みスマッジの可愛らしさにやられているようです。もちろん私も同じく、しっかりやられてしまいました。かわいい。


チャーミングでジェントルなスマッジにメロメロになりつつ、レコード・オタクとしての熱が入った語りは、どうも他人事には思えなくて。「いい夢でした!」と締めたMC。4人で自主製作した空っぽのジャケットたちには、とてつもない切なさが詰めこまれ、彼のスーツケースと共に、そして名曲のレコード達と共に、旅立っていくのでしょう。


スマッジがメインとなる、私の大好きな曲は『Rags to Riches/文無し』と『Heart and Soul/身も心も』の2曲。後者はピアノが弾けちゃうスマッジの技術を堪能できる素晴らしい楽曲です。そして、「労働者の男たちのことを歌うのも好き」と語ったスマッジが最後に大逆転の曲を歌い、眼鏡を投げ捨てて心のままに歌い踊る様子は、フィナーレの高揚感を一気に加速させてくれます。

 

ここで夢のような枚数のプラッズジャケットを見せながら歌う場面は、曲調がとても華やかなのに、とても切なくて。低音パートでプラッズを支える役目の多いスマッジが、のどを最大限に震わせて歌う『Rags to Riches』は絶品そのもの。劇場でぜひ堪能していただきたい1曲となっております。


私が初回に入ったときは、公演中にたびたび目線を頂戴してしまい、すっかりスマッジのファンになってしまいました。そもそも、ジンクス以外のプラッズメンバーは、前列の観客へのファンサービスを惜しまないのです。これは、後列が楽しめないのか?という話ではないのですが、とにかく目線が合うので、毎度毎度「そんなにする……?」と驚かされてしまうのです。

(しかし、ジンクスだけはちょっと違っていて。顔はこちらを向いていても、見ているようで見ていないような、不思議な目線をしていました。かつ、後ろまでを見渡すその姿に、大きな会場で多くのファンを虜にしてきた長野さんらしさのようなものを、つい感じてしまうのです。)


カーテンコールでは、最後に立ち上がった瞬間目の前にスマッジが……スマッジさん(鈴木さん)がいて、指定席なのに戸惑いを隠せずにおりました。ソーシャルディスタンスこそ取られてはいるものの、しっかり目線の先に自分がいることを確認してしまったところに、眉を上げて「うんうん」と頷く鈴木さんがいらっしゃって……。一瞬私だけに向けられた(ように見えても仕方ないところなのです、最前列という場所は)あの笑みは、一生忘れられない気がしています。


目覚めていく末っ子大天使―Jinx


6年前、私を虜にした大天使・ジンクス。長野博さんが演じていらっしゃいます。コロコロ変わる表情や、挙動のすべてが可愛らしく、ディズニープリンセスのような気品も兼ね備えた素敵なキャラクター。ファンとしては、もう語り切れない領域の“”“良さ”“”に包まれております。

ちょっと少年のような長野くんが好きな方、歌って踊る長野くんが好きな方、というか長野くんファンの方には絶対見て欲しい、そんな役柄を煮詰めて煮詰めたのがジンクスだと思ってもらえれば幸いです。

フランシスがプラッド柄の説明をするところで自らの蝶ネクタイをぴよぴよと引っ張ってみたり、ソンブレロにマラカスのスタイルでシャカシャカとやってみたり。時代が時代なら、ソンブレロにマラカスのジンクスちゃんのアクスタが欲しいですね(曇りのない眼差し)。


ハスキーで優しい歌声でメンバーを包むところはV6と似ているように見えて、ハーモニーの頂上はかなり高いところに。少々音域的には厳しそうでありながらも音を当ててくるところに、シンガーとしてのレベルの高まりを感じます。偉そうなコメントですが、V6で歌が上手すぎるメンバーに囲まれてちょっと不安定な声を響かせていた長野くんから、どう考えても成長していると思います。舞台での響かせ方は、もちろん本場で大活躍する鈴木さんなどには及ばないかもしれないけど、このキャリアにあっても確実に経験値が上がってきていることを、強く感じました。時々ハーモニーのてっぺんにも耳を澄ませてほしいなと思います。

また、ソロ曲『Cry』で覚醒(!!!)した後のジンクスは、さすがにV6でも見たことないのでは?!というほどのオラオラっぷりで、客席全体を自分のものにしてしまいます。なんて恐ろしい子……!


ジンクスの歌声が特に堪能できるのは、サビ前からサビに向けて指先から爪先までの美しい準備と共にみなぎっていく『Cry/涙』と、エモーショナルでちょっぴり切ないMCを経て開幕するプラッズ版「エドサリヴァン・ショー」で情熱的に歌い上げられていく『Lady of Spain/スペインの女』の2曲。

『Lady of Spain』は、歌に取り組むジンクスの前後左右をプラッズメンバーが行ったり来たりしながら、いろんな芸を披露してくれるのですが、その中でも動じずに歌い上げるジンクスの歌声にも注目して欲しいと思いつつ、ほかのメンバーの頑張りにも注目して欲しいと思いつつ、で、てんやわんやな3分11秒です。スフィンクス!!


そして、ジンクスを熱烈に推す者としてじっくりと聴いて欲しいのは『No Not Much /秘めた想い』の曲中で発せられる「♪いや……」の音。おそらくこれは日本版オリジナルとなる部分のひとつで、そもそも曲調が蜂蜜のようにしっとりして甘いのですが、その中でふと発せられるジンクスの声に、どうか世界中がメロメロになってしまって欲しいと願うばかりです。


感想・おわりに


再々演に対する想いが溢れすぎて、何から書けばよいのか分からずに1週間が経ってしまいました……。
個人的な初回(5/16 ソワレ)の感想として言えることは、実はあまりなくて。というのも、最前列で致死量を超えるプラッズを浴びてしまったことにより、網膜通り越して後頭部までに彼らの歌声が焼き付いてしまいました。本当に、嬉しい悲鳴とはこのことです。まさに夢のような、死ぬ前にもう一度見たくなるような、素敵な時間でした。


『No Not Much』で、4人が私に手を差し伸べて目を合わせて一節歌ってくださったことや、そのタイミングで本当は長野くんの瞳だけを見つめてみたかったけど、そんなもったいないことができなくて、それぞれの瞳を1拍ずつ真剣に見つめたこと、その視線の熱に耐えられずに背もたれに沈み込みながらのけぞってしまったことを、いつか人生に絶望してしまいそうな日があったときの自分のために、ここへ書き残しておきます。


私にとって、そして多くのV6ファンにとって、目の前で歌い踊る長野くんを、V6が解散して半年が経った今も見られるということは、まさに天文学的な、宇宙の巡り合わせのような幸せなのです。まだ言葉にしづらい感情ではありながら、ジンクスとして歌い、ジンクスとしてターンするその身のこなしに、ついV6を見てしまう私がいたことも事実です。ただ、今はそこに3人の(今や共演者の域を超えた)大好きなメンバーが加わることで、はるか遠い空にまで届く最高のハーモニーが生まれるのです。


いろいろなファン層の観客が入っていることは理解しながらも、そんなことを考えてはウキウキした気持ちにさせてくれるプラッズのことを、つい心から愛してしまうのです。プラッズ箱推し、プラッズしか勝たんのです。困ったものです。流れ星ここに入れて♡(うちわ)

 

ということで、初回の観劇感想及び、プラッズメンバーそれぞれの良さを語ってみました。まだまだ語り尽くせてはおりませんが、今回はこのあたりで終わろうと思います。最後まで読んでくださった方の観劇の支えになれば幸いです。

 

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